公認会計士試験 失敗しない短答式勉強方法

みなさんこんにちは!

ゆうきちです。
本記事では公認会計士試験の短答式試験の勉強方法についてまとめていきます。

「公認会計士短答式試験ってどんな試験?」
「合格者はどんな勉強をしていたの?」
「勉強する上で意識していたことは?」

この記事を読むことで上記のような疑問を解消することができます。


公認会計士短答式試験について私の経験も含めてざっくり説明すると

  • 財務会計論、管理会計論、監査論、企業法の4つから構成される。
  • マークシート方式で合計500満点。(財務会計論200点、管理会計論100点、監査論100点、企業法100点)
  • 私が合格した時のパーセンテージは72.8%。(財務会計論168点、管理会計論61点、監査論65点、企業法70点)
  • 学習のポイントはレジュメ(テキスト)に情報をフィードバックさせ情報を整理すること。

なお、本記事は私の勉強行っていた勉強方法を書いていますが、決してそれが唯一の正解ではないです。

あくまで一つの例として読んでいただけると幸いです。

この記事を読むことで、公認会計士短答式試験について、その実態を少し知ることができます。

この記事を書いた人

  • 理系会社員から公認会計士へ
  • 令和4年公認会計士試験合格
  • 令和4年会計専門職大学院成績優秀者卒業
  • 大手監査法人で監査経験あり
  • 勉強法、大学院に関する書籍を執筆

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公認会計士短答式試験の概要

まず短答式試験の概要を簡単に説明していきます。

公認会計士試験は一次試験と二次試験があり、短答式試験は一次試験にあたります。

二次試験へは基本的にこの短答式を合格しないと受験できず、受験生に最初に立ちはだかる壁がこの短答式試験です。

短答式試験は年に2回、5月と12月にあります。

科目数は財務会計論管理会計論監査論企業法の4科目です。
解答形式は全てマークシート方式であり、該当箇所を塗りつぶして解答します

財務会計論と管理会計論は、電卓を使って解答を出す計算部分と4つの肢から正しい文章を選ぶ理論部分に分かれます。

監査論と企業法は、全て理論部分から構成されます。

各科目の点数は財務会計論200点、管理会計論100点、監査論100点、企業法100点の合計500点満点です。

ボーダーは年によって変わりますが、だいたい60%から70%の間になります。

実際に行っていた勉強方法と意識していたこと

ここからは私が実際に行っていた勉強方法を紹介します。

私は、2020年4月から公認会計士の勉強を始めています。

2021年5月の1回目短答式試験は56.8%で落ち、2度目の2021年12月の短答式試験に72.8%で合格しています。

2021年12月の各科目の点数の内訳は、財務会計論168点、管理会計論61点、監査論65点、企業法70点でした。

合格した時の勉強法をベースに、落ちた時はどんな勉強をしていたのかも少し書いていきます。

まず大きく理論科目計算科目に分けて勉強方法を記載していきます。
その後に各科目ごとに詳細を記載していきます。

理論科目

理論科目は大きく4つの順番で学習していました。

①講義の視聴とレジュメへの書き込み
②問題集、過去問を解く
③レジュメにフィードバック
④その後の復習

それぞれのフェーズで意識していたこと以下の通りです。

①講義の視聴とレジュメへの書き込み

まず講義を視聴して注意点やポイントをレジュメに書き込みます。
講師から注意するべき点や効率的な方法を予め学んでおくことで、吸収できるスピードが上がります。

ここで意識していたのは、決して講義を消化することを目的にしないことです。
講義を見たら必ずその論点の問題を解くこともセットで行っていました

②問題集、過去問を解く

講義を受けた後、記憶が抜け落ちる前に該当箇所の問題集や過去問に当たっていました。
実際に問題を解くことで講義を受けている時には得られなかった気づきであったり、自分が間違いやすいところを知ることができます。

できるだけ講義を受けたその日に問題を解くことを意識していました。
特に初めて学ぶ論点に関しては、講義を受けた直後が一番その論点に詳しくなっている状態といえます。
その状態で解けない問題は、放置して数日後やっても絶対に解けません。
ここでわからなかった所は講師への質問制度を利用してすぐに解決することを心がけていました。

③レジュメにフィードバックする。

取り組んだ問題をレジュメの該当箇所に分かるようにメモしていました。
この作業をすることでその論点がどのように問われるかを知ることができます。
さらに問題を通してその論点の理解が深まったりします。

また情報をレジュメ等に一つにまとめることで復習する際にかかる時間を抑えることができていました。

④その後の復習

その後は②問題を解く、③レジュメへのフィードバックを繰り返します。

一度解いた問題を復習するタイミングは翌日の朝該当論点の答練がある前日、前々日にやっていました。

翌日の朝に復習するのは、2日連続で解けば、記憶が整理されやすく、残りやすい感じがしたからです。
また答練など目先にテストがある状態でやることで、勉強にメリハリをつけることを意識していました。

ちなみに最初はエクセルで論点ごとに整理して定期的(2週間、1ヶ月置き)に復習する方法をとっていました。
しかし1回目の短答に落ちてからその方法はやめました。

この方法をとると復習前提での学習になってしまい、記憶しようとしなくなってしまっていたからです。
また会計士試験は科目数、論点の数が非常に多く、管理するのは本当に大変です。
管理することに時間を取られてしまい、これでは本末転倒だと思ったからです。

上記のように答練を基準に復習していき、その後は、ある程度定着していて、復習しなくても良い問題を回転対象から外していきました。
企業法などは回転対象が少なくなって来れば、市販の問題集も手を広げてやっていました

企業法で僕が実際に使用していたのは、以下の教材です。
企業法はできるだけ範囲を広げることが重要なので、市販の問題集を使うのはアリだと思います。

短答式試験の理論は結論を抑えるだけで良いため、理解のベースができている論点であれば、手を広げてもそこまで負担なく抑えることができます

また他の問題集を使うことで違う角度からの問われ方にも対応できるようになりますし、理解を深めることにもつながりました。
ちなみに他の問題集を使用した時にもレジュメに戻るという作業は必ずやっていました

最終的には、情報を集約したレジュメを回転させるだけで良い状態にしていました。
また全範囲の模試などをやった時に、各問題でレジュメではどのあたりに書いてあったか思い出すことができるところまでレジュメを読み込んでいました。

計算科目

計算科目は以下の手順で勉強していました。
理論と勉強の流れは同じです。

①講義の視聴、レジュメへの書き込み
②計算問題集、過去問を解く
③レジュメにフィードバック
④その後の復習

ただ計算科目は理論科目よりも問題から情報の拾い方を覚えたり、下書きを定着させたりやることが多いという特徴がありました。

以下で理論とは異なる点だけ述べていきます。

計算で意識していたこと

計算では理論とは違い、テキストにフィードバックする方法を取っていない方も多いと思います。
私も1回目の短答式試験までは、問題集を回転対象にしてテキストに戻る作業をやっていませんでした
意識していたことはとにかく問題を回転させることで、回転数をカウントしていました。

しかしそれだとその回転対象の問題の形式を少し変えられたり、見たことのない形式の指示には対応できなくなってしまいます。

レジュメに戻ることでその論点を体系的に整理することができ、多少、問題の形式を変えられても対応できるようになりました。

初めてその論点問題を解いた後の復習のタイミングも理論と同じで翌日の朝と答練前に行っていました。

ただ計算の場合は、問題集の範囲を広げることはしませんでした
なぜかというと計算は点数に結びつくまでに時間がかかるからです。

無理に広げてしまうと、手元にある問題集の問題も定着しきれず、本番で解けない恐れがあります。
また計算でC論点がでると周りの受験生も誰もできないので特に広げなくても問題はありません。

計算の復習の際には1回目〜3回目ぐらいは下書きを丁寧に書いて、下書きやプロセスを覚えることを大切にしていました。
ある程度定着してきたなと思えば、問題を見て下書きをイメージできるかどうかを中心にチェックしていました。

ある程度定着してからは、電卓を叩いて数値を合わせる作業は特にしていませんでした。

また最初から最後まで使用していた問題集の全部の問題を回転対象としていました
頭の中で下書きをイメージできるものはそこまで回転に時間がかからないのでそれでも問題はありませんでした。

次に各科目の勉強方法に関して詳細に見ていきます。

財務会計論

財務会計論は理論と計算に分かれます。

まず理論ですが、使用した教材は、LECで配布されていた講師レジュメ(テキストのようなもの)とLECの一問一答問題集、過去問、答練の4つを使っていました。

学習順序は上記の理論で説明した通りです。

①講義の視聴、レジュメへの書き込み
②一問一答問題集、過去問を解く
③レジュメへフィードバック
④その後の復習

財務の理論の特徴としては各論点をぶつ切りにできることが挙げられます。

なので①から④は各論点ごとにやっていました
また苦手だと思う論点には多くの時間をかけて、できるだけ苦手な論点を作らないように勉強していました。

多くの予備校でそうだと思いますが、学習の順序は計算から行い、下書きがある程度定着してきてから理論の勉強に移っていました。
そうすることで計算のイメージで理論を理解することができますし、得られた理論の知識で計算の理解を深めることもできました。

次に計算ですが、LECのテキスト、CPAコンプリートトレーニング、過去問、答練の4つを使用していました。

これも学習の流れは計算で説明した方法と同じです。

コントレでも各論点の最初にoutlineというページがあるので、それをテキストと同じように戻るべき場所という位置づけで使っていました

少しコントレの特徴についても述べておきます。

コントレの特徴を一言で表すと、「網羅性が高い」教材です。

そのため全ての問題をやるのには相当の時間がかかります。おそらく初学ではない方でも1ヶ月以上はかかると思います。

また各問題ベースで解説講義が付いているため、問題に関する疑問をすぐに解決することができます

私は1回目の短答が終わってから使い始めたので、苦手な論点や知らない論点を中心にやっていました。

最後に財務会計論の本試験の特徴も書いておきます。

財務会計論は2時間の試験ですが、試験では時間が足りないことの方が多いです。なので答練などで2時間の時間を測って行う練習はやっておくべきだと思います。

ちなみに私は理論を全て解いた後に計算を解くという順番で本試験は問題を解きました。

計算は知らない論点であれば解答を導くことはかなり困難になります。

それに比べて理論は知らない選択肢があっても他の選択肢で絞り込みをかけて解答を導くことができます。
なので理論は、比較的落ち着いて取り組める序盤にやっていました。

管理会計論

管理会計論も理論と計算に分けて説明していきます。

理論ですが、LECのテキストと一問一答問題集、原価計算基準の本文、答練の4つを使っていました。

原価計算分野での学習においては原価計算基準を常に意識して勉強していました。
短答式試験では原文の言葉を一部変えて出題されることも多いので、基準本文にあたる勉強は必須だと思います。

原価計算分野を学習する際には、基準で規定されているものと現代の理論的に正しいとされているものを区別して覚えていくことに気をつけていました。

問題を解く際にも基準のことが聞かれているのか、現代の理論的に正しいことが聞かれているのかは意識していました。

計算分野ですが、LECのテキストと問題集、過去問、答練の4つを中心に勉強していました。

問題集では、私はA,B論点だけを回転対象に加えていました。

管理会計は短答式試験の中で最も時間が足りない科目です。
なので最初から問題集でもC論点まで手を広げるべきではないと思います。なぜなら本番で定着度が低い論点が出たらまず間違いなく時間内に正答を導くことができないからです。

講義を見てA,B論点だけやって全ての範囲を終えた段階でできるだけ早く過去問をやってみることをおすすめします。

過去問をやることで時間感覚を体験できますし、A,B論点を確実に定着させることの重要性を感じることができると思います。

なお管理会計に関しても財務会計論と同じ理由で本試験では理論から解答していました。

監査論

監査論は、LECのテキストと過去問、答練の3つを使っていました。

監査論は、他の科目よりも過去問をかなり重視して学習していました

おそらく講義等でも説明があると思いますが、監査論の問題は毎年半分ほどの肢が過去問の焼き増し又は類似した表現で出題されます

私は平成28年1回から10回分の過去問を回転対象として学習していました。
過去問を解いてテキストに戻り体系的に理解する方法で勉強を進めていました。

一問一答問題集は使用しませんでした。

企業法

企業法は、LECのテキストと一問一答、過去問、市販のTACアドバンスト問題集、答練の5つを利用していました。

企業法は、理論科目の中では範囲が最も広く重い科目でした
最近の短答式試験では結構細かい選択肢まで出題されています。

私は、一問一答が定着してきた頃に市販の問題集も購入して行っていました。
ただ市販の問題集を購入するのは、一問一答とテキストを使ってある程度、各分野の知識を体系的に習得することができていることが条件になると思います。

ある程度体系的に習得できてから他の問題集を使用することで、新しい問題集を使って得た知識を吸収しやすくなります

また違う角度からの問われ方にも慣れることができますし、新たな気づきからさらに深い理解をすることもできました。

最近の細かい選択肢が出ている傾向を踏まえるとここまでやっておいても良いと思います。

まとめ

短答式試験の難しさは、必要とされる知識量の多さにあると思います。

そのため、レジュメやテキスト等を使って知識を整理することができるかどうかが合格するための鍵になってくると私は感じました。

以上で今回の記事は終わります。

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