会計専門職大学院(アカスク)ってどんな所?学べる事、学費、入試、単位など基本情報をまとめてみた。
みなさんこんにちは!
ゆうきちです。
この記事では会計専門職大学院、通称「アカスク」について書いていきます。
公認会計士を目指したり、会計を学んでいる方の中には、アカスクに興味を持っている方もいると思います。
ただ会計専門職大学院に関する詳しい情報は、インターネット上にもほとんどありません。
私自身も入学しようか迷っていた時に情報収集に苦労した記憶があります。
この記事では実際に通学した私の経験を踏まえて、会計専門職大学院とはどのような所かをまとめます。
この記事を読むことで、会計専門職大学院についての理解を深めることができると思います。
会計専門職大学院についてざっくり説明すると
- 「会計のプロ」を養成するための場所。
- 学問から実務まで幅広くを学べる。
- 一般入試は簿記2級と過去問で対策できる。
- 学費は2年間で296万円。ただし奨学金により減額可能。
- 卒業に必要な単位は48単位。月〜土まで1日1コマペース。
- 要件を満たせば会計士の短答式試験のうち、「財務会計論」「管理会計論」「監査論」を免除できる。
この記事を書いた人
- 理系会社員から公認会計士へ
- 令和4年公認会計士試験合格
- 令和4年会計専門職大学院成績優秀者卒業
- 大手監査法人で監査経験あり
- 勉強法、大学院に関する書籍を執筆
会計専門職大学院ってどんな場所?
専門職大学院は「高度で専門的な職業能力を持った実務家の養成」を目的として設立されました。
会計専門職大学院はその中でも「会計のプロフェッショナル」の養成を目的とした教育機関として位置付けられています。
会計専門職大学院は、2003年度に開設されました。
当時は公認会計士試験の受験者は受験専門学校に依存しているということが問題視されていました。専門学校による教育ではどうしても会計士試験に合格することが目的になってしまい、体系的な会計の教育を行えないからです。
そこで公認会計士として備えるべき資質・能力の養成のために作られたのが会計専門職大学院です。
公認会計士試験だけでなく、高等教育機関における体系的な会計教育を通じた取組みを行うために設立されました。
そのため、会計専門職大学院では会計士試験に関係がない科目、実務的な知識も教わります。
何を学べるの?
会計専門職大学院で行われている授業内容について簡単に紹介します。
私が通っていた関西大学の会計専門職大学院では、「基礎科目群」、「発展科目群」、「応用・実践科目群」の3つに授業が分類されていました。
基礎科目群は必修科目、発展科目群・応用実践科目群は選択科目です。
基礎科目群は、会計士試験の科目でもある「簿記」「管理会計」「企業法」「監査論」などを学びます。
発展科目群は、「英文会計」「国際監査」「民法」など会計士試験の範囲外で会計の専門家として必要とされる知識を身につけます。
応用・実践科目群は、「会社経理の実務」「監査法人インターン」「企業インターン」など自ら経験することを通じて実務に近い知識を学びます。
「会計のプロ」を養成するという目的を達成するために会計士試験に関する知識だけでなく実務に近い知識を学ぶことがここからも分かると思います。
入学試験の対策方法は?
一般入試はどのように対策すれば良いのでしょうか。
ここでは私の実体験を元に説明していきます。
私は理系社会人から会計専門職大学院に入学しています。
社会人の時に簿記2級、3級を取得した状態で2020年度入学試験を受けました。
対策としては簿記2級の復習とHPに掲載されている過去問3年分を解いて挑みました。試験の所感で言うと、簿記2級よりも少し難しいかなと感じる難易度でした。
過去問は現在の以下のHPに掲載されています。簿記の勉強を少しでもしたことがある方は一度問題を解いてみて下さい。
https://www.kansai-u.ac.jp/as/admission/question/index.html
学費ってどのくらいかかるの?
私が通っていた関西大学の2年コースでは初年度に入学金と授業料合わせて159万円、2年度に授業料で137万円、2年間合計で296万円でした。
他の大学でも私立では300万円、国公立では150万円が相場のようです。
このように大金が必要となることから入学を躊躇される方も多いと思います。
しかし私立の大学では、多くの授業料免除の制度が設けられています。
実際私自身も一年次の学費は半額免除、二年次の学費は全額免除で通うことができました。
その他にも在学中に給付型の奨学金を頂け、特にお金の心配をすることなく学業に専念できました。
卒業にあたり必要単位は?
私が通っていた関西大学では卒業に必要な単位数は2年間で48単位(1授業2単位換算)でした。月曜日から土曜日まで授業があるため1日1コマのペースになります。
各年度春学期と秋学期があるため、学期単位で見ると1学期で12単位(6つの授業)を取得していけば卒業できます。
おそらく大学に通ったことがある方からすると少ないと感じると思います。実際、私自身も公認会計士の勉強をしながら授業を受けていましたが、そこまで授業自体忙しいということはありませんでした。
ただ授業によって課題が多い、少ないの差があるため取得する授業を目的に応じて選ぶ必要はあります。
48単位の内訳は必修科目が16単位、選択科目が32単位です。
全体の2/3が選択科目となるため、割と自由に履修科目を選ぶことができます。
ちなみに会計専門職大学院では卒業の要件に卒業論文の作成はありません。
必要単位数さえ取得できれば、卒業することができます。
短答式試験の免除について
要件を満たせば会計士の短答式試験のうち「財務会計論」「管理会計論」「監査論」を免除できます。
短答式免除のための要件として、前述している必修科目、選択科目の区分とは別に「財務会計系」「管理会計系」「監査系」の3つの区分が設けられていました。それぞれの授業が必修と選択とこの区分でも分類されていたということです。
例えば、”簿記論”という科目は必修科目であり、「財務会計系」の科目である。”管理会計事例研究”という科目は選択科目であり、「管理会計系」である。といったイメージです。
私が卒業した関西大学会計専門職大学院では、短答式免除のために「財務会計系」から10単位以上、「管理会計系」から6単位以上、「監査系」から6単位以上を取得する必要がありました。
短答式免除を目指す方は卒業要件とは別に、この要件も満たすように履修計画を組む必要があります。
会計専門職大学院で取得した単位は補習所の単位になる?
会計専門職大学院では定められた授業を取得することで実務補習所の単位270のうち最大で45単位(1授業3単位換算)を減免することができます。
これは公認会計士を目指される方にとってはメリットになりうると思います。この45単位も短答免除の場合と同じく卒業単位とは別の基準に沿って単位を取得することになります。
まとめ
この記事では私の経験を踏まえた情報を記載していきましたが、いかがでしたでしょうか。
この記事を通して会計専門職大学院に関して少しでも理解が深まり、みなさんの進学するかどうかの判断材料になれば幸いです。
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