公認会計士試験ってどんな試験?実際にかかった勉強時間、費用、リアルな合格者の生活スケジュールを紹介。
みなさんこんにちは!
ゆうきちです。
「公認会計士試験ってどんな試験?」
「実際どれくらい勉強時間、費用がかかるの?」
「受験生の1日の生活スケジュールは?」
この記事を読むことで上記のような疑問を解消することができます。
公認会計士試験についてざっくり説明すると
- 受験資格はない。
- 一次試験4科目、二次試験6科目で構成される。
- 司法試験、税理士試験、不動産鑑定士の合格者と一定の実務経験者に対する免除制度がある。
- 一般的に説明される勉強時間は3500~4000時間。
- 私が実際にかかった勉強時間は7645時間。
- 費用は予備校代で20万円〜50万円ほど。
- 月から土まで平均9.5時間、日に4.5時間の勉強サイクルを継続。
私は2020年4月から本格的に公認会計士の勉強を始めました。
2021年12月の公認会計士1次試験(短答式試験)に72.8%で合格、2022年8月の2次試験(論文式試験)に合格しました。
そこで今回の記事では、公認会計士試験の概要を私の経験を交えて解説していきます。
公認会計士の勉強を始めようか悩んでいる方、すでに始めている方等の参考になれば幸いです。
受験生のリアルをできるだけお伝えできればと思います。
この記事を読むことで、公認会計士試験について、その実態を少しでも知ることができると思います。
この記事を書いた人
- 理系会社員から公認会計士へ
- 令和4年公認会計士試験合格
- 令和4年会計専門職大学院成績優秀者卒業
- 大手監査法人で監査経験あり
- 勉強法、大学院に関する書籍を執筆
公認会計士試験の概要
まずは公認会計士の概要に関して、以下の項目ごとに解説していきます。
・受験資格
・試験科目
・試験日
・試験免除制度
受験資格
公認会計士試験には受験資格がありません。
年齢、学歴、国籍問わず誰でも受験することができます。
私は関西大学の会計専門職大学院で勉強していましたが、年齢は20代から40代、日本人から中国や台湾の留学生の方まで本当に幅広かったです。
チャレンジする資格がどの方にもあるのはありがたい制度ですね。
試験科目
試験科目は短答式試験と論文式試験で異なります。
短答式試験では財務会計論、管理会計論、監査論、企業法の4科目です。
解答形式は全てマークシート方式であり、記述はありません。
財務会計論と管理会計論は、電卓を使って解答を出す計算部分と4つの肢から正しい文章を選ぶ理論部分に分かれます。
監査論と企業法は、全て理論部分から構成されます。
論文式試験は、短答式試験の4科目に租税法と選択科目の2科目を加えた6科目です。
論文式試験は全て記述方式で、解答欄には数字を記入する箇所と文章を記入する箇所があります。
私の感覚ですが、短答式試験と論文式試験は科目が被っている4つに関しても学習内容が結構異なります。
ざっくりいうと短答式試験は「結論」、論文式試験は「論拠」を重点的に覚えることになります。
以上よりこの試験の特徴を一言で表すと「試験範囲がとにかく広い」だと思います。
試験日
短答式試験は年に2回、5月と12月に試験があります。
論文式試験は年に1回、8月に試験があります。
2回ある短答式試験のうち、まだ学習を開始されていない方は12月の試験を目指してスケジュールを立てることを強くおすすめします。
なぜなら論文式試験の対策を3カ月で行うのは本当に大変だからです。
前述した通り、論文式試験は2科目追加される上、被っている4科目に関しても短答式試験とは性質の異なる知識を習得する必要があります。
それを3カ月で習得するためには理解→暗記のプロセスを取ることができず、暗記中心の学習で論文式試験に挑まざるを得なくなってしまいます。
試験免除制度
短答式試験の免除になる人は以下の3つに大きく分類できると思います。
・一定資格保有者
・一定実務経験者
・会計専門職大学院で一定単位を取得して卒業した者
それぞれ見ていきます。
一定資格保有者ですが、税理士試験合格者(簿記論および財務諸表論の科目合格者も含む)、司法試験合格者、高等試験本試験合格者です。対象者は短答式試験の一部もしくは全部が免除になります。
*高等試験とは1894年から1948年まで日本で実施された高級官僚の採用試験のことです。
一定実務経験者ですが、一定の会計または監査に関する業務等に従事した期間が通算で7年以上になる方と一定の大学教授などを3年以上経験された方が対象です。対象者は短答式試験の一部もしくは全部が免除になります。
会計専門職大学院で一定以上の単位を取得して卒業した者ですが、対象者は短答式試験の財務会計、管理会計、監査論の3科目が免除になります。
私は会計専門職大学院を卒業しています。
在学中に短答式試験に合格したため、免除制度は使いませんでしたが、ここで単位取得、卒業の難易度に関して所感を少し記載しておきます。
まず単位を取得すること、卒業することに関しての難易度は決して高くありません。
実際、私の周りで単位取得や卒業できなかった方は、ほぼいませんでした。
それに加えて免除は有効期限がなく生涯使えることも特徴として挙げられると思います。
論文式試験の免除になる方は大きく以下の2つに分類できます。
・一定資格保有者
・一定実務経験者
資格保有者ですが、司法試験合格者、税理士合格者、不動産鑑定士試験合格者、高等試験本試験合格者です。
対象者は論文式試験の一部が免除になります。
一定の実務経験者ですが、大学教授などを3年以上経験された方、企業会計の基準の設定などの業務に一定以上従事された方です。
対象者は論文式試験の一部が免除になります。
各対象者の詳細や免除科目は、監査審査会のこちらのページに記載がありました。参考にしてみて下さい。
https://www.fsa.go.jp/cpaaob/kouninkaikeishi-shiken/qanda/index.html#menjo2
短答式試験、論文式試験までに実際にかかった時間と費用
ここからは短答式試験合格、論文式試験受験までに実際に私がかかった時間と費用について説明していきます。
比較するためにまず最初に一般的に予備校等で説明される勉強時間に関して調べた結果をまとめていきます。
一般的に予備校等で説明される勉強時間
予備校のホームページを見ると、3500時間〜4000時間が目安と記載されているところが多いです。
仮に1日10時間勉強したとすると、350日〜400日であり1年1ヶ月ほどかかる計算です。
私自身の勉強時間
私は2020年4月1日に本格的に勉強を始め、2021年12月12日の短答式試験に合格、2022年8月19日〜21日の論文式試験に受験しています。
実は勉強を始めた当初は、2021年の5月の短答式試験を目標にしていました。
しかし、2021年の5月の試験合計が56.8%で不合格でした。そのため短答式試験は2回目に合格しています。
短答式試験合格まで日数でいうと620日、論文式試験受験までの日数でいうと870日です。
だいたい月曜から土曜まで平均9.5時間の勉強、日曜は4.5時間の勉強をおこなっていたので論文式試験受験までに概算で7,645時間の勉強を行なったことになります。
目安の約2倍の勉強をしていることになりますね。
短答式試験が年に2回、論文式試験が年に1回しかないという試験の性質上、一度試験に落ちてしまうと勉強時間がかなり増加することが分かると思います。
試験の科目数が多いことも考えると、できるだけ生活から試験勉強以外のことは排除し、短期で集中して取り組むのが最短で合格するための条件かと思います。
次に使用した公認会計士試験の費用に関してみていきます。
公認会計士試験に使用した費用
受験生時代の生活費や雑費は今回の計算では除外し、純粋に試験にかかった費用だけ計算していきます。
・予備校にかかった費用
講座名 | 費用(円) |
LEC短答合格コース | 183,213 |
LEC論文合格コース | 100,000 |
CPA上級論文マスターコース | 243,200 |
予備校に使用したお金は▲52万6,413円でした。
・会計専門職大学院にかかった費用
種別 | 費用(円) |
入学金 | 260,000 |
一年次春学期授業料 | 679,000 |
一年次秋学期授業料 | 660,000 |
二年次春期授業料 | 695,000 |
二年次秋学期授業料 | 675,000 |
会計大学院にかかった費用は▲296万9,000円でした。
多くの方は予備校代だけだと思いますので、20万〜50万円ほどは資金として準備しておいた方が良いと思います。
受験生の生活スケジュール
ここからは公認会計士受験生時代の生活スケジュールに関してご紹介していきます。
先ほども少し述べましたが2020年4月から2022年8月までの受験期は、月曜から土曜まで平均9.5時間の勉強、日曜は4.5時間の勉強をおこなってきました。
月曜から土曜までの1日のスケジュールはこんな感じでした。
私は朝方でしたので朝は5時30分からスタートしていました。
赤色の勉強時間の中でも1時間30分を目安に10分から15分程度の小休憩を挟みながら行っていました。
会計専門職大学院の授業はだいたい1日1コマあります。
授業に寄りますが、準備に30分〜60分ほどかかるものもありました。
ほとんど準備がいらないものに関しては、その時間も公認会計士試験の自習に当てていました。
日曜の1日のスケジュールはこんな感じでした。
だいたい午前中は勉強して、午後からは自由な時間をとってました。
午後からの時間では友人とご飯やカラオケ行ったり、一人でスーパー銭湯に行ったり、とにかく勉強のことを忘れて発散することを心がけていました。
そのようにメリハリをつけることも長期間の勉強を継続するためには大切なことだと思います。
まとめ
公認会計士試験に関して私の経験を交えて書いてみましたが、いかがでしたか。
私は短答式試験に一度落ちています。
短答式試験の各回の合格率は10%です。
おそらく一発合格した方よりも私のように一度もしくは何度か短答式試験で足踏みされているの方が割合としては多いような気がします。
この記事を通して会計士受験のリアルを少しでも感じていただければと思います。
以上で本記事は終了させていただきます。
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